芹沢一也著:「ホラーハウス社会」、法を犯した「少年」と「異常者」たち

大量のコメントが入り、投稿日時を更新しました。内容更新は、コメントの追記のみです。

とうとうこの本を読み終えた。芹沢一也著:「ホラーハウス社会」、法を犯した「少年」と「異常者」たち、だ。読み始めた時は、アマゾンのカスタマーレビューは「ゼロ」だったが、今日見たら4件(29日に私のレビューが追加され、5件となっている)掲載されている。このレビューを観ていると、とても自分のレビューを公開するだけの自信がない。本職の「精神科医」もいる。自分は、SE上がりの老人だ。でも、市民としての意見も言わせてもらおう。

追加の記載です

2006年3月27日に、著者からのコメントが入ったので、それをもとに、私も1冊ではあるが、著者としても同じ世界を生きていると言う認識に立った上で、私の著作方法・読書方法について記す。

  • 誤解を与えないような書物を書くことは至難である。
  • 題名・要約・結論・章建て・サブタイトル・章のタイトルなどが、読者をガイドする重要な指針であり、そのため、商業主義に則った「売れる題名」を付けること、章タイトルは十分に吟味する必要がある。
  • もちろん、本書のような別の筆者による「解説」があれば、その内容は、その書物を十分に理解した人が書いていると判断する。
  • 読者は、筆者の与えるガイドに従って読んでゆく。少し前のことは忘れる可能性があるから、しおりを挟みながら読むが、全体像として捉えるので、細部の記載は全体像の中に溶け込んでしまうので、重要なポイントは、章タイトル、節タイトルなどに挙げる。


  • まあ、こんな感じを持ちながら書物を書くのが私のスタンス。また、この読書感想文は、これで金を貰っている訳ではないから、自分の言いたいことを本を題材にして編集する可能性があることは否めない。(なるべく正反対にはならないようには心がけるが)

    この本の著者の「はじめに」の結論、などに関する追加のコメントです


    こうしたいくつもの要因が交錯するなかで、近代社会が長らく保護してきたものたちが、きわめてグロテスクな存在へと変貌してゆく。そして、その変貌とともに、わたしたち自信の日常もひずんでいった。・・・・わたしたちの「奇異なる日常」の来歴をこそ解き明かそうと思う。

    この文章を読んで、筆者は、「近代社会が長らく保護してきたものたちが、きわめてグロテスクな存在へと変貌してゆく。」のは、心外であり、私たちの日常がひずんでいるのだ。その「来歴」を示そう、と言っていると、私は判断している。

    結論に至る著者の道筋

    もちろん、この筆者は、過去100年来の「少年」「異常者」を保護する社会を良しとはしていないらしいが、2章、3章、4章を使ってこれらの保護された対象物が、近年どのように扱われるようになったかを解説し、それは「怪物」を作り出した異常なプロセスであると言っているように見えるし、思える。「ドューデリジェンス」に基づかないプロセスであると書いてあり、[力を持ってはならない:ブログオーナーのコメントです]社会がそのような「怪物」を作り出した一番の根本であると書いてあるように見える。しかし、本当にそうなんであろうか。我々社会に住んでいる人間は、力を持ってはならないのだろうか? 被害者家族は団結して、司法に対して行動をしてはならないのだろうか? 今までは、人権派の弁護士達により、加害者が保護され、それらに関する情報すら提供されていなかった経緯を良く考えてみよう。それに対して、彼ら「被害者家族」が団結してそれを公開するよう、また、成人と同じ刑事罰の裁定を受けるよう要求したのではないのか? 私はそれは間違っていないと思う。この著者は、繰り返し繰り返し「社会」が「怪物」を作り出した、と言う(203ページ「怪物」として排除する方向へと変容した)。215ページには、「わたしたちの社会が抱え込んだ怪物がもたらす不安、これをエンターテインメントとして消費しようとしているのだ。」と書いてある。冗談ではない。少年Aが自分の近くに住んでいるとしたら、その恐怖たるや、すごいものであろう。だから、私は犬を飼う。私を「異常であると」は、誰にも言わせない。

    著書の結論の記述について

    最後に、218ページに「自分だけが境界線を踏まないと信じ込んでいるとすれば、それは悲しいほどこっけいで危うい自負でしかない」とあるが、私は、自分たち、自分の家族がいつそのような境界線を越える可能性があるかも心配しており、そのため、私はSE上がりの老人であり、社会科学に素人ではあるが、別のブログで「社会の壁」を連載している。200万人のフリーターを抱える家族は同じ気持ちではないだろうか?老人のニートの子供殺し、ニートの親殺し、など、考えただけでも恐ろしげの事件だって頻発している。ついこの間だって、引きこもりの中学生が、家に放火し、幼児が死亡したではないか。我々はいつこのような境界線を越えないか、心を痛め毎日を送っているのだ。

    我々庶民の心配は、「怪物」ばかりではありません

    このような、犯罪に対する怖れ・恐怖・不信があるのと同時に、200万人のフリーター、64万人のニートを抱える家族について考えたことがあるのだろうか?あなたはそれほど、日本人の庶民の生活に関して無関心なのだろうか?すでに、別のブログで記載しているから、詳細は省略するが、彼らの親・兄弟に対し、最終的には社会に対し、膨大な経済的な負担をかけることになるのだ。ひょっとして、ニート、フリーターを抱える家族は、裕福な部類に入るかもしれない。だって、何もしない人間を5年から10年扶養する事が出来るのだから、1,000万円から2,000万円の資産を持っている訳だ。「親が諦めた時に、その親の期待と言うストレスが本人から解き放たれ、それによって、本人はニート状態から立ち直ることが出来る」という、非常にショッキングな記述があるくらいなんだ。ひきこもり当事者と家族の出口 寺子屋新書です。だから、これから数年の間にそれが終了し、まともな人生を歩みだすと言う保証は全く無いから、この負担は今後も継続されると考えなければならない。そうすると、生活保護」「障害者登録」「知的障害者登録」などをして、保護によって生活することになるとすると、これらの人には、年間100万円以上の社会的な負担を地方自治体に与え続けることになる。だから、日本のこれらの家族は、犯罪に対する不安以外に、経済的な不安を抱えて日常を送っていることを忘れないで欲しい。あなたの著作の最後の記述「・・・・悲しいほどこっけいで危うい自負でしかない」は、あまりにひどい記述ではないか。

    我々が異常なんではない。絶対に違う。

    我々が、「異常」になったのではない。「異常」なのでも無い。正常なんだ。お互いに監視するようになったことも異常だと言うが、そんなことは、日本においては、都会においても、地方においても、村社会が機能しており、自治会が機能しており、民生委員が機能している現状で、何を根拠に「急に監視社会になった」と言うのだろうか?Nシステムのようなプライバシーを侵すシステムを警察が導入して久しい。監視の最たるものではないだろうか?「少年・少女、幼女など未成年者」を対象とする「性犯罪」は、累犯が多いと言うことは、世界の常識だ。その常識に従って、これらの犯罪者に対するフォローアップをするべき義務を果たしてこなかったのは、日本の社会ではない。権力側ですよ。人権派の人たちですよ。少年Aはすでに、野に放たれています。自分の保護観察をしてくれた自分のカウンセラーに恋心を抱いて、...。我々にはそれらの情報すら公開されません。あなたはご存知かも知れないが。これらの累犯の危険性のある人物が多数いるとすれば、彼らの情報の公開を求めるのは我々の当然の要求だと思うが。我々の要求が間違っている(異常だ)なんて結論には達することはできない。(芹沢氏のコメント記入に対し、2006年3月27日追記した。荒れた文章は徐々に修正する。コメントは直接メルアドへ送ってくれても結構です。caro_ideale@yahoo.co.jp)

    本論:「芹沢一也著:ホラーハウス社会」の読書感想文


    とうとうこの本を読み終えた。芹沢一也著:「ホラーハウス社会」、法を犯した「少年」と「異常者」たち、だ。読み始めた時は、アマゾンのカスタマーレビューは「ゼロ」だったが、今日見たら4件掲載されている。このレビューを観ていると、とても自分のレビューを公開するだけの自信がない。本職の「精神科医」もいる。自分は、SE上がりの老人だ。でも、市民としての意見も言わせてもらおう。

    直截に言うと、私はこの「芹沢氏」の意見に反対である。むしろ、「解説」の筆者、藤井誠二氏の意見に近い。なぜ芹沢氏はこの藤井氏の解説を巻末に掲載するようなことになったのだろうか?自分の偏りの無さをアピールするスタンスであろうか?アマゾンのレビューでは、ほとんどの意見は「芹沢氏」の主張を受入れて評価している。本書は、100年以上も続いた「少年」と「異常者」を人(成人)として取り扱わないで、法の下での裁判を受ける権利をはく奪してきた、その「保護する社会」を正しいとしている。「神戸連続児童殺傷事件」などを契機として、少年法が改定された。人(成人)ではない「少年」が犯す犯罪は、それを罰するのではなく、それを犯す少年を「保護」し、「更生」させる「少年法」から、少年以外の「人」と同じく「刑事裁判」を受けるようになった経緯を詳しく説明する。しかし、著者はそのことを問題とはしていない。そのような法改正を要求した社会が「変化」した、それが問題であるとしているのだ。そして、そのような社会を「ホラーハウス」社会と言っている。ホラーハウスとはどういう意味だろうか?私には分からない。

    この本では、「少年犯罪」と同様、「精神障害者」の犯す犯罪に関しても、同じようなストーリーを見いだしている。今までの法では、「精神障害者」は、その犯行の動機が理解不能なため「不起訴」となり、処罰のプロセスから除外される。その「障害者」は、時代により「精神病院」に措置入院されるか、「触法精神障害者」として、指定病院に入院・通院を強制され、その状況が常に監視される(医療観察法)。この「医療観察法」の立法化を推し進める契機となったのが、少年法の改正の契機となった「酒鬼薔薇事件」少年Aと同様、池田小学校での殺傷事件を引き起こした「宅間守」であるとする。これも、社会の要請がそのような法制化を推し進めたと言う。「教育の対象としての少年」が刑罰の対象となったのと同様、「医療の対象としての病者」が保安処分されることとなった。

    筆者は、両者に共通して、社会がそのように変化をしたと言う。すなわち、不安にとりつかれた社会となり、この社会が「教育」「医療」で対応すべき者を、マニュアルで排除しようとする「観察・監視社会」となったと言っている。その社会は、あるレビュアーに言わせると「隣組」と同様、恐ろしい社会であると見る。(このレビュアーは、日本の社会が村社会で、常に監視してきたことを知らないのであろうか?そんなにこの人は、ナイーブなのだろうか?)

    この筆者のバックには、「凶悪犯罪」「少年犯罪」共、このような法改正を必要とするような状況ではないと言う意見がある。すなわち、近年になりこれらの犯罪が急増したのではないと言う。むしろ減少しているのにこのような法改正を要求するのは、社会がそのような「怪物」を除外しようとし、その行為はその社会のとっては「快楽」なんだそうだ。団地の入り口や公園に監視カメラを設置したり、24時間体制で監視する「セキュリティタウン」の出現がそれを「エンターテインメント」として消費する社会の象徴であると言う。もう20年以上前から、あらゆる高速道路にNシステムと言う車の監視カメラが設置され、全ての通過車両の車番をデータ化して居るのをご存知だろうか?ずっと前から、我々のプライバシーは侵され、監視されていたのだ。何もこれらの事件によって触発された社会ではない。ジョージ・オーウェルの1984年の社会、「Animal Farm:動物農園」はすでに存在しているのだ。私の家には20年前から、インターフォンはTVカメラ付を導入している。当然、訪問客もその監視の下に置かれているのは、ここ数年ではない。

    当然要求するべきことを要求する社会を「犯罪を快楽として消費する社会」と断罪することは許されることではないと思う。明らかに「芹沢氏」の論点は間違っている。隣組は戦前にも存在したし、近年になって急にそのような組織が出来たのではない。日本の村社会は、都会においても常にお互いを監視してきていたし、監視している。それを忌み嫌っている私は、「Nシステム」や、「各所に取り付けられているモニター」は非常に遺憾であるが、それを取り付ける社会を「けしからん」と言うことは出来ないと思う。警察が組織としてNシステムを取り付けることは反対であるが、それにより犯罪者が早く逮捕されるならば、良しとしよう。しかし、最近は凶悪犯が逮捕される率が減少しているような気がするが。<この当たりは、論点が曲がってしまった。>

    結論を言おう:我々の社会は、村社会として「監視をしてきた社会」である。しかるに、法規制で「少年」「精神障害者」の犯した罪を、「成人」と同様に刑罰の対象として扱わず、逆に「被害者」からこれらの加害者を保護することは反対である。「被害者」が一番疎外されるような法はおかしい。だから、近年の法改正は賛成であるし、我々がホラーハウスに住む住民で、ホラーハウス社会と言われるゆえんは無い。(ホラーハウスという意味すら私には不明である)

    最後にもう一言言わせてもらおう。今まで人権派の弁護士などに阻まれて、被害者家族が声を大にして言えなかったが、その家族達が、団結して、「少年」「精神障害者」の犯罪に対して、情報を公開するよう、また、成人と同様の刑事罰に相当するかどうかを審判するように求めた結果である。彼らが初めて行動を起せるようになり、それに対して社会もかなりの多くの人が賛同を表明するようになったため、法制化が進んだのである。私の常々の主張である「行動を起さない限り何も実現しない」と言うことを身をもって実践されたから実現したのである。

    たとえば、拉致家族被害者連絡会の人々は、あのような状況で、結束を固め、何もしない政府に対しての闘いをし、北朝鮮への経済制裁を要求してきている。しかし、世間の賛同が必ずしも得られていないために、それが実現に向かって進まない。非常に残念な状況である。それに対して、この本で話題に上がっている犯罪に対しては、しかるべく進んでいると思っている。これは、被害者家族が結束を固め、行動を起した結果であると思う。人権派の弁護士達の大きい壁を打ち破る力になったのではないか。

    これらを総合すると、我々の社会は、若年者層の[自分以外の]世界に関する無関心を除き、行動する集団が育ちつつあるようだ。これをメディアが食い物にしたり、また、一般市民がお昼のワードショーを見るようなつもりで、第三者として観戦・快楽として消費することが無ければ、社会としては、むしろ健全な方向に進みつつあるように思える。私が別のところで書いているように、我々が何をするべきかを考え、それを実行に移すと言う「行動」を起すことによってのみ、我らの社会は良くなってゆくと思う。そう信じたい。だから、この芹沢氏の本に記載されている「歴史としての事実関係」を尊重するとは言え、それの原因を、そのような「病んだ社会」になりつつあると言う意見には賛同できない。

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    この記事へのコメント

    VIVA
    2006年03月25日 09:08
    おはようございます。
    TBしていただき恐縮です。本書はまだ読んでおりませんが、上の書評をじっくりと拝読し、興味のあるテーマですので非常に参考になりました。アマゾンの書評にも目を通しましたが、こちらのご意見に同感です。また時々おじゃまさせて下さい。
    http://blog.goo.ne.jp/tokkun-book/
    2006年03月25日 14:18
    コメントありがとう御座います。
    芹沢氏の書籍に限ってかもしれませんが、アマゾンの書評は「著作」を弁護するレビューが目立ちます。それほど、この種の問題が底が深いということでしょうか。近年発生している犯罪は「少年」「障害者」によるものだけではなく、世田谷の事件のように、未解決の凶悪殺傷事件が気になりますね。犬を飼い、自動録画機能付きの監視カメラを整備し、万一の場合にも証拠が残るように供える必要を感じています。
    2006年03月25日 14:22
    追加です。上のように書くと、「ほらー、そうじゃないか。あなたはホラーハウスに住んでいるんだ。」という嘲笑が聞こえるような気がします。「自分のことは自分でする」、「やるべきことは実行に移す」そのような大人の一人だと考えております。昼間のワイドショーを見て騒いでいる人間ではありません。何もしない政府がするのを待っている訳には行きませんから。
    芹沢一也
    2006年03月27日 08:58
    はじめまして。芹沢と申します。根本的な誤解を与えているようですね。まず、本にも明記したように、ぼくはかつての「保護する社会」には明確に反対です。なぜなら、少年犯罪の分野では一面的な保護主義によって、犯罪被害者をまったく蚊帳の外においてきたこと、また精神医療の分野では治療の建前のもと、措置入院という実質的な保護処分によって精神障害者を隔離監禁してきたからです。したがって、改正以前の少年法と精神保健福祉法には反対の立場に立っています。長いあいだ少年や精神障害者はたとえ犯罪を犯しても犯罪者として裁くのではなく、少年あるいは精神障害者として教育ないしは治療の対象とすべきだとする考え方に支配されてきましたが、こうした考え方について五章においてはっきりと否定しています。ぼくは少年も精神障害者も、犯した罪については適正な事実認定のもと刑罰を科すべきだとする立場です。
    芹沢一也
    2006年03月27日 08:58
    しかしながら、少年法改正と医療観察法の成立をもたらしたのは、果たしてそのような方向性での流れ(「法の下での平等」あるいはデュープロセスの重視といった)だったのか、というのが『ホラーハウス社会』の論点です。
    また、監視カメラの設置やセキュリティタウンの出現をもって、治安をエンターテインメントとして消費する社会の出現であるなどとは一言も述べておりません。また、現在の治安管理システムの構築とかつての村社会的な監視は違いますが、長くなって来たのでこの辺りで。

    2006年03月27日 22:07
    本の著者である芹沢さんのコメントを歓迎いたします。コメント欄では書ききれませんので、本文のトップに、芹沢さんのコメントに対するコメントを記載いたしました。アマゾンの書評(カスタマレビュー)にも3月24日に投稿したのですが、偏っているのか、採用されませんね。...アマゾンがそんなに偏狭だとは思っていませんので、もう暫く待ちましょう。採用が拒否された時点で、本欄にその原稿を記載いたします。
    2006年03月29日 12:11
    アマゾンに問い合わせたところ、滞っていたらしいが、至急に処理をしてもらい、29日午前12時頃にやっと掲載されました。まあ、これで、芹沢氏の著作に対しても、賛否両論のレビューが掲載された訳だし、社会の関心が強いことが示されるであろう。結構なことだ。それにしても、著者からのコメントが、このブログがGoogleの検索に掲載されていないだろう時点(27日)に入っているのは不思議だ、と思っている。今はGoogleの検索で出てきます。
    yasuharahiromi
    2006年03月29日 15:08
    ホラーハウス社会の編集をやりました安原と申します。Caro Ideale さんにお伝えしたいことがあってコメント書き込ませていただきます。

    私はちなみに被害者遺族になりかけた人間です。運良く死には到りませんでしたが、相手は少年でした。少年法に限らず、日本の刑法においては「人権」は加害者のみに使われている言葉だったので、「被害者の人権」という概念はそもそもありませんでした。つまり日弁連がいう「人権」は対加害者向けの人権でしかなく、立場的には理解できます。感情的に被害者が「人権派」と罵倒して倒さざる得なかった事情も理解できます。つまり少年法は事実認定と被害者を全く考慮に入れてなかったのが問題でした。犯罪被害者の発見という事態はかなり困難な業績であることは確かです。そのことは本から読み取ってはいただけなかったでしょうか。
    yasuharahiromi
    2006年03月29日 15:09
    しかし、果たして日本の治安は果たしてそれほど悪化しているのかというとまるで事態は逆です。国際的な調査(ICVS)でも日本は先進国の中では治安は一番良い国です。でも社会安全研究財団の行った世論調査では居住地域で治安が悪くなったと回答した者の比率は11%であったのに対し、日本全体で治安が悪化していると回答した者は61%となっています。つまり、自分の身の回りは安全なのに、何かしら社会の治安が悪化しているとおもいこんでいる人が多いというねじれた関係は実証されています。

    つまり「凶悪化」という言説がマス・メディアの報道によってそれが市民に浸透していき一般的には、既存の社会的価値観に対する脅威として特定のグループが標的にされます。現在の日本においては、少年と外国人、精神障害者です。むろん、犯罪を犯した場合は上記の誰であれ、きちんと裁くべきです(というスタンスも本書に明記しております)。
    yasuharahiromi
    2006年03月29日 15:10
    現在の治安対策はCaro Ideale さんお書きになっているような「少年Aが自分の近くに住んでいるとしたら、その恐怖たるや、すごいものであろう。」という実態とかなり乖離した恐怖を利用した予算配分がされていて、国会議員が国民にウケる
    施策として使われているだけで、これは「ホラーハウス社会」にも芹沢さんが書いていらっしゃいますが、医療観察法の社会復帰費と治安維持費の差額を見れば明らかです。つまり、治安という実態のない危機感に税金が投入されているということです。さらに、子どもの通学にタクシーを利用させたり、治安対策にヘリコプターを出動させている警察もあるほどで、明らかに過剰反応です。どんな子どもに育つのか、いかに税金が無駄使いされ(福祉予算が削られて)いくのか、私はこっちのほうが怖いかなとおもいます。
    yasuharahiromi
    2006年03月29日 15:10
    さらに過剰反応だけでなく、犯罪は地域からあふれたいらゆるお書きになっていらっしゃった「村社会」の時代のほうが圧倒的に多く、治安対策として今の防犯ボランティアなどの活動はまったく意味がなく、どちらかというと「共同体復活」幻想で地域住民が仲良く結束したいという「快楽」を警察権力がリソースとして利用してるだけに過ぎません。つまり「それを実行に移すと言う行動を起すことによってのみ、我らの社会は良くなってゆくと思う。」という善意が利用されているというわけです。このあたりは森達也さんの映画「A2」などをご覧になってみてください。ふつうに住民同志話し、生活し、交流すればよい話で「治安」を旗印にする必要はありません。今やっている治安対策は将来的には反対に治安が悪化する方向になります。
    yasuharahiromi
    2006年03月29日 15:11
    あとがきを藤井さんにお願いしたのは、今の刑事司法は「犯罪被害者」を組こまなければいけない困難な局面を向かえていることをお知らせしたかったからです。加害者-被害者という全く立場の異なる人たちが、法というルールを作らなくてはいけない。しかし、社会は合いも変わらず賛否両論でふきあがっているばかりで、不審者メールなどまったく治安対策には逆効果のないものが流行る始末。果たしてこれが健全でしょうか。そのような困難な状態に「冷静になって、みんなで頭抱えてください」と世に出した本があの本です。
    yasuharahiromi
    2006年03月29日 15:11
    大変長々と申し訳ありませんでした。

    http://ameblo.jp/hiromiyasuhara/
    もしよろしければ、私もこちらでブログを作っております。
    芹沢さん、藤井さんともリンクしてますので、ご意見等、またいただけば幸いです。
    2006年03月29日 20:25
    編集者の安原さんにまで書き込みをしていただきありがとう御座います。私が言いたいのは、芹沢さんが言っている、「社会が変わって、怪物を監視する社会になった」、また、218ページに「自分だけが・・・・・それは悲しいほどこっけいで危うい自負でしかない」に対して、反論しています。その他のことは良しとしましょう。我々の社会はずーっと前から監視社会であったので、急に監視社会になる必然性も無い。予算がどう使われようが関係は無い。ニートの64万世帯の方々が、家族の中にニートを抱えている現在、彼らが、犯罪(親殺し、社会犯罪など)を犯さないかどうかが心配であるし、経済的負担に耐えきれない状況にある事を言いたいのです。誰も、境界線を踏まないと信じ込んでいない。自治体の防犯パトロールなどナンセンスであり、論じるつもりも無い。誰も、頭がかっかとしているのではないと思う。かっかとして誤解しているのは筆者と、編集者で、どうか、読者を愚ろうするような文言は削除願いたい。
    hiromiyasuhara
    2006年03月29日 21:50
    >読者を愚ろうするような文言は削除願いたい。
    Caro Ideale さんを愚弄した文章を書いたわけではなく、事実を丁寧にお伝えしたかったまでなのですが、お怒りでしたら大変申し訳ありません(さらに文書のほうは私のほうでは削除できませんが?)。リンクされているブログも拝見させていただきましたが、ご著書を出されていらっしゃるようで、上記エントリーでも「著者としても同じ世界を生きていると言う認識に立った上で」とお書きになっていらっしゃいますので、著者様に対する編集者としてコメントを差し上げた次第でございます。まったく怒っておりませんよ(笑)。
    hiromiyasuhara
    2006年03月29日 21:51
    他人様のサイトでたくさん書くのも申し訳ありませんので、Caro Ideale さんの感想については編集の私にとっても大変興味深いので、芹沢さんか私のサイトで引用させていただこうと思っておりますがよろしいでしょうか。引用につきましては、通常著者の了解はいりませんが、一応エチケットでお伺いしております。
    お気になさっているのは、この3点ですよね。
    ◎「社会が変わって、怪物を監視する社会になった」
    ◎「自分だけが・・・・・それは悲しいほどこっけいで危うい自負でしかない」
    ◎ご心配されているニート犯罪者論
    光文社新書「ニートっていうな!」で内藤朝雄さんが少年法改正論議を焦点に分析しておりますので、「ホラーハウス社会」とパラフレーズしております、あわせてご説明しようと思っております。
    2006年03月29日 22:14
    >>読者を愚ろうするような文言は削除願いたい。
    >Caro Ideale さんを愚弄した文章を書いたわけではなく、・・・。
    →一般読者に対しても、強すぎる言葉ではないですか?「出版されると、自分は裸になった気分だ」です。どうなろうと止められません。編集段階で、読者をミスリードしないような文章・章・項タイトルを選択する必要があるのです。だから編集者の責任は大です。
    引用はどうぞご自由に。リンクを張りわすれないように
    >気にしているのは、◎「社会が変わって、怪物を監視する社会になった」◎「自分だけが・・・・・こっけいで危うい自負でしかない」
    だけが貴著と関係があります。自治体・政府が何をしようが、関心はありません。我々自身が団結して力をつける以外方法はありません。
    >◎ご心配されているニート犯罪者論
    これは、貴書とは関係ないです。私の持論として、ニートの存在とそれによる「犯罪の怖れ」「経済的破綻」が心配事であり、ニートを抱える64万家族の総意ではないでしょうか?今の政府のように何も手を打たなければ、5年10年先には、社会はニートで破綻するのではと心配しております。
    hiromiyasuhara
    2006年03月29日 22:52
     本を出して、読解力のない方に誤解をされる、曲解をされるということは多々あることですので、もちろん編集者として、理解しておりますし、覚悟もしておりますし、反省もしたりもします。
     Caro Ideale さまがおっしゃっているように、無論止めようという気もさらさらありません。ただ、今は読者の方にこのようなアフターサービスが、編集者としてできるのがネットのよいところだなと切に思っております(笑)。ではでは。
    2006年03月30日 22:44
    VIVAさんのブログ(http://blog.goo.ne.jp/tokkun-book/e/7b113040fb3433553676e3e1f76b370c)で、安原さんが、コメント欄の500文字制限のため沢山の書き込みが必要だったと書いている。普通は、直接喧嘩せず、自分のブログに反論を書き、TBでハイパーリンクを張ります。それが通常のブログ運用です。自分のブログに書き込まれたので、大急ぎで反論を書きましたが、安原・芹沢さんは未だ反論を書いていないのでは?書いたとしてもあんなに難しいレイアウトのブログはフォローしかねます。
    本を書くと誰がどのように見ているか気になるが、RSS検索で、日夜?監視をしているなんて正常?かな。私の本の場合、出版日前にアマゾンに冒涜的なコメントが載りました。アマゾンに申し入れ後、長時間かかって削除されましたが、その後今のような、事前検閲、事後の報告形式が出来上がりました。
    「本を書くことは、人の前で裸になること」です。内容は世の中が判断しますよ。いちいち、RSS検索でブログを探しまくるなんて、みっともないことはしません。余計なことかもしれないが。
    hiromiyasuhara
    2006年03月30日 23:26
     しょうがありませんね。いろいろと誠意をもって教えてあげようと思ったら「どこかの手先」とまで他人様のブログで大騒ぎされてるわけですから。最後は人格攻撃と、ブログはこうあるべき論ですか。
     まず、上の私がわかりやすく書いたコメントまったく読まれてないか理解されてませんよね。エントリー文とコメントの内容にかなり矛盾がありますから。ほんとうに本の仕事されてるんですか?まったく議論になってませんよね。せっかくがんばって書いたのにな。あまりに悲しゅうございます(しゅん)。ではでは。
    hiromiyasuhara
    2006年03月30日 23:56
     著者になったり老人のか弱い読者になったり、私し、まずよくわからないんですけど。
     まず前提として以下書かれてますね。
    ●細部の記載は全体像の中に溶け込んでしまうので、重要なポイントは、章タイトル、節タイトルなどに挙げる。
    そして、
    最後に「削除せよ」とある文言ですね。(これもう一度コメント読ませていただくと、なんと本書から削除せよとまでおっしゃってますよね)で、これちなみに「細部の記載」で、エントリーにあるようなニートのことと関連して一切文脈上触れてないのですが?(ちなみにニートの話は本書では触れていないので読み間違えようがないと思うのですが)。どのようにお答えすればいいか、まずよくわからないくらい、意味不明なんですが。
     「削除せよ」とまでおっしゃる著者の方のご意見だから、ちゃんとお答えしようとしてるだけだったのですが、とりあえず深呼吸して落ち着いてコメント読んでみてくださいね。一応ちゃんとお答えしてるつもりですので。
    hiromiyasuhara
    2006年03月31日 00:27
     もしかしたらご理解いただけないかもしれないので補足しておきます。 

    「ニート、フリーター」が、「犯罪者」になるか、「生活保護」もしくは、「障害者」「知的障害者」になって(どうしてなるか、さっぱりまったくわかりませんが)、とお書きになっていて、保護によって生活することになるとすると、これらの人には、年間100万円以上の社会的な負担を地方自治体に与え続けることになると。
     →つまり社会の迷惑だと。

     これ自体もかなり誤解のある記述ですが。

     さらにまったく書いていない本書の記述から書かれて、お書きになっているということを私は指摘しておりますので、よ~く読んでくださいね。
    2006年03月31日 00:38
    人のブログを荒らさぬようお願いします。これ以上書き込んだら、あなたの書き込みは全て削除します。折角ですから、その内容は、私のSEのサイトに採録しますが。... 書きたいことは、あなたのブログに書いて、トラックバックして下さい。それで十分に伝わります。 人格攻撃などしていません。 このブログの本文に、 「この読書感想文は、これで金を貰っている訳ではないから、自分の言いたいことを本を題材にして編集する可能性があることは否めない。(なるべく正反対にはならないようには心がけるが)」と書いてありますので、あまりかっかとならぬよう。良い子はもう寝ます。
    stiglitz
    2006年04月18日 16:35
    私は貧乏ニートなのですが、
    自己責任原則によつ無視放置と
    コスト感覚による「社会のお荷物」の
    視線に苦しんでいます。
    食えるなら保護社会のほうが有難いと
    思うようになりました。
    2006年04月18日 19:06
    私自身、最近の論調が「ニート」「フリータ」の自己責任論に傾きかけているのを危険に思い、それに対抗する「論陣」を張って、出来れば本にしたいと思って連載しているのですが、結論まで言ってしまうと実もふたもないのだが、「日本人の同胞の現状に対する無関心さにあきれ返っています」。だから、生活保護者200万世帯くらいが最大と見積り、年間2兆円の社会負担なら何とかできそうだな、と役人が見積もっているような気がします。あとは、NPOが頑張るくらいしかない。私どもも生きている間は、皆さんのために役立つことをしようと考えているが、それを抱えているのが現状。だから、極端なことを言えば、資産は食いつぶし、残るは生活保護だけでしょう。...斎藤環氏の言うように、30歳の段階で「本人」と話をするべきなんでしょうね。しかし、若さは決して馬鹿にできない力を発揮しますよ。それを自助努力に向けていただければ、もっと良い未来が見えます。...
    stiglitz
    2006年04月25日 17:24
    自己責任の場合、最終的に家族、親族の
    財産を食いつぶしてから生活保護なので、
    親と話しても出口がなく困っています。
    扶養になると家庭裁判所の調停まで行かなければなりませんし。
    Caro Ideale
    2006年04月25日 22:34
    私自身、福祉の専門ではありませんので、いろいろ調査した結果の回答です。この関係の回答は、今回限りにしてください。
    ご自身は、障害者本人ということで、医師の判断の元で「精神障害者保護」を受けることになりますね。ご両親は、障害者ではないので、収入がない場合、「生活保護」となります。貴方とご両親は、別々の世帯となるのではないですか?(同居している場合はどうなるか分かりません。)お互いに扶養関係にはならないのでは?親族は、この場合、関係がないと思います。第三親等までで関係は終了するのでは?stiglitzさんに兄弟が居る場合で健常者の場合は、兄弟に貴方、ご両親などの扶養義務が発生する可能性があるのではないかと思いますが、扶養の要否に関しては、確かに、「家庭裁判所」の裁定まで行く可能性があります。ご両親が自立して生活できない場合、ヘルパーの支援が必要となりますが、それは考える必要は無いようですね。追加ですが、本年4月から、「世帯所得」に応じて、医療費、ヘルパーなどの利用料の自己負担上限がアップします。
    破れかぶれ
    2006年04月27日 19:18
     藤井誠二さんら「犯罪被害者家族の視点で刑法を考える」方に質問。「弟を殺した彼と、僕」の原田正治さんに何故触れないのでしょうか?
     ちなみに原田さんもまた「悪い被害者」呼ばわりされ誹謗中傷されてます。なのに藤井さんらがこの事に触れたのを聞いたことがありません。
     
     「ww4.tiki.ne.jp/~enjoy/harada.htm
    原田正治さん『弟を殺した彼と、僕』     2005年6月25日」
    をぜひ読んで頂きたい。
    Caro Ideale
    2006年04月27日 21:29
    原田さんの上記サイトを読みました。しかし、私が原田さんのような被害者になった時に、加害者に対して「許す」気持ちになれるか全く想定はつきません。「許す」被害者を「悪い」被害者だと言うことも納得出来かねますが、私の専門の「らちがい」ですので、コメントは控えさせて下さい。私は、芹沢氏、藤井氏の不都合なTBを拒否している態度は納得できませんし、私が言っている「社会統計学」上の問題点の指摘は、説明が欲しいです。芹沢氏の著作は、「少年犯罪は増えていない」を基本として展開しているので、私は、その分野を経験しているものとして、その基本に関しては、きちんとした学術的な検証・説明が必要だと思います。それにより、芹沢氏の評価が決まると考えています。
    Caro Ideale
    2006年05月28日 18:37
    破れかぶれさんへ、また、芹沢さんのブログで、私のコメント(以前は生きていましたが)が、最近消されているようですね。余り関心が無いので、どちらでも良いことですが、社会科学専攻する人として、他人の批判を無視・消去するのは学徒としては不適切な気がします。http://ameblo.jp/kazuyaserizawa/entry-10011194568.html#c10021708943ですよ。情けないですね。先端を走っているつもりでしょうが、2~3周遅れではないのかな?これは言い過ぎです。(一般論としての話です)
    mokota
    2007年12月16日 02:46
    私は頭の悪い大学生です。Caro Idealeさんの書評は反論ポイントがはっきりしてわかりやすいですが、本の内容(私が理解した内容)とは少しずれている部分があるように思います。

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