反戦映画:男たちの大和を見た(DVD)!!

戦争賛美の映画ではない。残酷な戦争を、当事者として、また、敗戦国として描いている、光る映画だ

タイトル通り、2006年8月4日からDVDで発売された「男たちの大和」を見た。私は、この映画を、広告などで、また、呉に造った「モックアップ」を保存したいという人たちが沢山いたりして、この映画に対する勝手なイメージを作っていた。それは、戦争賛美の映画だと思っていた。数年前に終了した新潮45で連載された「戦艦大和」のシリーズも、戦争賛美ではなく、裏を探るルポルタージュであったと思う。

[データ:辺見じゅんの原作を佐藤純彌監督が映画化した戦後60年記念作品。]

この映画は、決して死ぬな、新しい日本を、間違った方向に進んでいた日本を立て直すために、生きよ。というのが、この映画のメッセージであると思う。アメリカの作る、戦争賛美でもない、敵国の残虐さを描写する映画でもない。日本の歴史的な間違いを正直に描いた映画だと思う。

呉から、江田島に至る海岸線の美しい風景を見ながら、私が呉に仕事で通った頃を思い出す。(鹿児島県枕崎の漁港の景色と混同しているかもしれない)月間の残業が200時間を超える中、たまの休みに、路線バスに揺られて、通ったバス道、人々、海岸線、家々、透き通る青い海、強い陽光、カキを拾っていた海岸の人々などを思い出す。その中でこのストーリーは展開する。ちょっと思い出の道を地図で見てみよう。そうなんだ、呉から、倉橋島、江田島などを通るバスに乗った。風光明媚な、実に素晴らしい光景を楽しませてくれる場所なんだ。しかし、それが戦時中は、軍港であり、近づくことも、山の上から見下ろすことも禁じられた呉造船所、江田島士官学校があった場所だ。マピオンのマップからの引用です。

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「死に方用意」

いくつかの名セリフが残されている。その中の一つがこれだ。上官(私は軍隊の階級が分からないから、中途半端な説明になるが、お許しを)が、少年兵たちを集め、最後の出発に向けて準備している時に話す。各少年兵たちは、自分の考えを述べる。しかし、死んではならない、ということを教える上官に共感を覚える。

日本が向かう破滅の道を、再生するために、自分たちが死ぬのだ

大和の建造が完了し、レイテ戦での体験をもとに、上官が少年兵たちにいう。建造が完了した時は、無敵な戦艦として進水した。しかし、その後3年半を経過し、次々と日本の前線基地がアメリカ軍に進撃され、本土への爆撃、沖縄への攻撃が続く中、なぜ、大和が沖縄に向かって「特攻出撃」の命令を受けて出発しなければならなかったか? それは、既に、日本が破滅の道を歩んでおり、これは、一度地に落ちて、完全に打ちのめされた後、日本が再生するために、自分たちは死ぬ。しかし、生き残った人たちは、間違った日本の歩みを改め、新しい道へ進んでほしいとの祈念を込めて、上官が発言する。尊い言葉だ。

内田二兵曹のすざましい生き方

この人でこの映画が持っていると思う。この人が、なんと、レイテ戦で右肩から腰に抜ける銃創を負い、呉の病院で療養している。その人が、まだ銃創が治っていない、左目が見えないのに、病院を抜け出し、大和の最後の出立に乗船する。軍の病院では、脱走兵扱いで軍法会議が待っているといわれるが、「馬鹿!そんな暇があるわけなかろう」といって、攻撃に参加する。そして、結局はこの人が生き残り、この映画の女主人公の育ての親として、11名の戦災孤児を育てる。この西内二兵曹にかわいがられた少年兵の一人(神尾克己)が、これも生き残り、つらい人生を送るが、内田氏の死後1年後に、義理の娘(内田真貴子)は鹿児島県枕崎の漁港を訪ね、この生き残りの神尾が船長をする「明日香丸」に乗り、戦艦大和が沈んだ海域に、散骨をするために、16時間をかけてこの海域に船を出してもらう。少年兵が徹底的な陰惨ないじめに遭う場面でも、彼は少年兵たちへの暴力行為をやめさせる(間違ったいるかもしれないが)。そして、この映画を引っ張る主役として、渋い役柄をこなす。神尾が主人公であり、内田はそれを引き立て勇気づけ、陰に陽に教育した人だ。仲代達矢が、老年期の内田船長を演じている。

戦争は美化するべきものではない。本当に残酷で悲惨なものであることを徹底的に認識される映画だ

アメリカには決して作れない映画だ。ドイツが、「ヒトラー ~最期の12日間~」を作ったとも聞くが、その評価以上に、このような戦争の現実を、戦争を知らないで、再軍備、憲法改悪に走る、多くの若者たちに見てほしいと思います。年寄りは決して「憲法改悪」に賛成しておりません。少なくとも70歳代以上の人は、男女ともそのひどい状況を経験しているから。しかし、今、改憲を狙っている層はどのような人たちなんでしょうね? 戦争をしてもうけを得ることができる企業のバックアップを受けている政治家たちでしょうか? なぜ、多くの人たちが、自衛隊を「軍隊」とし、「自衛権の拡大解釈」へと駆り立てるのだろうか? メディアに踊らされないよう、この映画を見てみることを推薦したい。そしたら、決して「軍の設備」である、靖国神社を単なる「心の問題」と、片付ける、自民党総裁を応援することはないはず。

私は、この映画の題名が「男たちの大和」であることに疑問を感じる。そうではなく、「日本人の反戦映画:戦艦大和」であってよかったのではないか、と思っている。あまりに曖昧すぎる。オタク映画ではない、プラモ萠の映画ではない。実戦を克明に描いた反戦映画である。そしたら、戦争が嫌いな層も、間違いなく見てくれる。逆に、そのような題名になると、好戦派は見に行かない可能性が高くなるが。...

もっと、戦前の軍部の専横、軍国主義の圧政を記述するべきだと言う意見もあるようだが、これだけ右傾化した現代の日本で、これ以上の反戦映画を作ることは不可能であろう。むしろ、作ったらつぶされてしまうだろうし、関係者が抹殺されるかもしれない。という意味で、ギリギリの線で、題名も「大人の男たちの大和」ではなく、「男たちの大和」と柔らかく表現したのであろう。今になってそのような印象を持った。

最後までおつき合いいただきありがとうございます。

管理者の自然の観察ブログ「オレンジの独り言」もご覧ください。素敵な写真が沢山掲載されています。

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